◆ 着物美人はおっちょこちょい(前編) ◆    作・チゴ


俺は今、石川県立茶山高校の正門の前にいる。

なぜかというと美由紀に「パソコンが調子がおかしいから見て欲しいの」と頼まれたからだ。

しかし、あいにく今日は茶山高校は登校日なので、『じゃあ授業終了に合わせて』って事で、茶山の正門の

前で待ち合わせる事にした訳だ。

だが待ち合わせの時間になっても美由紀は来ない。さらに待つ事15分、やっと美由紀が現れた。

「ごめーん! 待った!?」

待ち合わせの時間に遅れて来て「待った?」は無ぇだろ、おいっ。

「そりゃ東京から時間通りに来てるから、待たされたわな」

俺はイヤミっぽく美由紀に言った。

「ほんとにごめんね。掃除が長引いちゃって…じゃ行きましょ」

帰りがけに待たせてしまったからとあんみつを奢ってくれた。

何を隠そう俺は大の甘党なのだ。

あんみつを食べて一息ついてから美由紀の家に向かった。

美由紀は自分の家に着くと、お茶を入れてくるからと俺を自分の部屋に通した後、台所へ行った。

…またしても遅い。お茶を待っている時間は、もう20分は過ぎている。

俺の怒りが頂点に達した所に、美由紀はお茶を持って戻って来た。

「遅いぜ! 二度も人を待たせるたぁ、どういう了見だよ!?」

思わず美由紀を怒鳴りつける。

「えっ、お、お茶の葉を探していたの…」

美由紀は俺の剣幕に完全にたじろいでいた。

「まっまぁ、お茶でも飲んで落ち着いて、ね?」

申し訳なさそうにお茶を出す美由紀。渋々それを手に取る俺。

しかしお茶を飲んでるうちに和んでいる自分に気付く。

『あぁ、やっぱりお茶は日本人の心だ』

そう思う俺だった。お茶を飲み終えて落ち着いた俺は、美由紀と一緒にパソコンの前に移動した。

「…んで『パソコンがイカれた』って言ってたけど、どうなったか詳しく説明してくんないと対処の
しようがないよ」

「あのね、着物の展覧会の詳細が載っているホームページを見つけたんだけど、印刷が出来ないの…」

「じゃあまずパソコンを起動して」

美由紀に指示を出す。

「設定を見てみるからちょっと代わって」

俺は美由紀に代わって椅子に座り、設定を見たがおかしな所は何処にも見当たらない。

「…おかしいな?」

ふと顔を下げると、宙ぶらりんになっているコネクターらしきものを発見。線を辿って何処に刺さっているを

調べる。…プリンターのではないか。

(そりゃ、接続されてなきゃ印刷出来ねぇよな…)俺は呆れながらうなだれた。

ささっと直して美由紀は無事にホームページを印刷する事に成功。

「…ったく、今度からはちゃんと配線も見ろよ」

美由紀に諭す。

「ごめんなさい…」

先ほどからのドジの連発で、美由紀はすっかり小さくなってしまっていた。こうなったらもう、完全に俺の

ペースだ。それでなくとも、元々内向的で流されやすい性格の美由紀である。

「じゃあ、約束の報酬!」

俺はラチられる前に約束した『直してくれたら何でもしてあげる』という約束を美由紀に思い起こさせた。

「…で、何をして欲しいの?」

「セックス」

「…また直だね」

美由紀は顔を真っ赤にしながら言った。

「今更恥ずかしがるような仲でもないじゃん」

「それは…そうだけど…」

俺は服の上から美由紀の豊満な胸を触った。

「あん…」

美由紀が俺の手の上に自分の手を乗せてきた。

「…ねぇ、貴方は…大きい胸は嫌い?」

美由紀が上目使いで聞いてくる。

「…嫌いじゃないよ。むしろ好きだよ」

俺がそう言うと、美由紀はほっとしたように口を開いた。しかしながら、瞳はどこか虚ろげだ。

「……貴方が転校して少したった放課後にね……」

「………………」

「『美由紀の胸っておっきいね』ってクラスメートの女の子に胸を揉まれたの…」

「お、おい美由紀、何を言い出すんだ?」

「その時だった。クラスの男子が教室に入って来て、その女の子と一緒になって私の胸を揉んだわ。
それから…胸を見られて………」

「…もういいよ。美由紀の過去に何があったかなんて」

「え?」

「俺は今の美由紀だから一緒にいたいし、セックスもしたいと思う。昔の事を気にするなとは言わないよ。
ただ…過去に捕われちゃいけない」

「…こんな私でも…いいの?」

「言っただろ。今の美由紀が良いって」

俺は美由紀の唇を奪った。

「…ん…」

「服、脱がすよ?」

美由紀は無言で頷く。

俺はゆっくりと美由紀の上着から脱がしていった。

美由紀のブラを外した時、俺の前に美由紀のたわわな胸が顔を出した。俺は美由紀の胸を優しく揉みしだいた。

「…あ…ん…」

美由紀の胸はトラウマになるだけあって感度が良かった。

昔、いろんな奴に揉まれたせいもあるんだろうが、本質は素材が良いからだろう。俺は勝手にそう自己完結を

してしまった。

「美由紀の胸、柔らかくて気持ち良いな…」

「そんな事…ないよ」

美由紀は顔を真っ赤にして呟く。そして美由紀は俺から離れ、俺の足元にしゃがみこむと、ジーパンの

チャックを降ろした。

「わっ!?」

いきなりだった為、俺は思わず声を出してしまった。

俺のムスコが顔を出すと、美由紀はそれを手に取り口に含んだ。彼女の舌使いに、たちまち固くなっていくのが

自分自身でも分かる…。

「…ねぇ…気持ち良い…?」

舌を這わせながら、美由紀は上目使いで俺に聞いてきた。

「ああ、すごく気持ち良いよ…」

彼女は俺の言葉に安心したかのように、顔を赤らめながら自分の世界へ入ってしまっていた。

実は俺も、ちこっとご主人様気分なのは言うまでもない。

美由紀は舌と唇、指を使ってピストン作業をどんどん早めていく。俺も猛烈な射精感に襲われた。

「み、美由紀! もう出る!!」

限界だった。美由紀が口を離したその瞬間、美由紀の顔にぶちまけてしまった。

しかし嫌な表情などせず、むしろ満足したかの様に、美由紀は唇についた精液を舐めとっている。

「…ありがとう美由紀。気持ち良かった…」

俺がその言葉を発したその時だった。

『トントン』

誰かが美由紀の部屋のドアをノックした。


続く


 いつもT2000の同人誌を購入してくださっているチゴさんが、美由紀の18禁SSを寄稿してくれました。
このSSは、ウチの美由紀本を読んでインスピレーションを受けたそうです。チゴさん、本当にありがとう
ございました! そして後編もよろしく!!(笑)

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