◆ Ever Green ◆   作・ちびくろ参謀


「お袋ー! 風呂の用意しといて、風呂の用意!」

バイトから帰った僕は、応接間にいる母親に靴下を脱ぎながら声をかけた。

今日のバイトは交通量調査。ラクだし給料も高い、バイトとしてはおいしい部類のものだ。

朝は早かったが30分ごとにもう一人の人と交代だったし、何よりも1日で一万円。学生のバイトとしては

充分である。ただ沿道沿いだったので、全身排ガスまみれ。バサバサになってしまった髪が、それを如実に

物語っている。

一旦部屋に戻って、新しい下着とバスタオルを取って再び応接間へ。

「イヤー今日は大変だったよ。朝早かったし暑かったし・・・」

「おば様ならいないわよ」

「へ?」

声のした方を振り向く。ソファーの方からだった。オレンジ色のノースリーブに白いミニのタイトスカート。

そしてトレードマークの青いヘアバンド。遠藤晶が座っている。

「晶・・・来てたんだ・・・」

「おじ様もおば様、さっき出かけたわ・・・あなたが帰ってきたらよろしくって」

急いで玄関を駆け上がったんで、晶の靴があるかなんて全然見てなかった。

「あ・・・あ、そう・・・」

晶の表情はほんのり赤い。それに少しアルコールの匂いがする。

リビングテーブルの上に、琥珀色の液体が注がれたグラスが置いてある。そしてその隣りの瓶。

親父の秘蔵のブランデーだった。

僕の視線がテーブルの上のグラスに注がれていることに気が付いたのだろう。晶は少々ムッとした表情で

口を尖がらせた。

「な、何よ・・・おじ様が飲んでいいって言ったのよ! なんか文句あるの!?」

「別に・・・文句があるとは言ってないでしょ?」

本当は未成年の女の子がこんな真っ昼間からアルコールをかっ食らうのもどうかとは思うが、相手は晶だ。

余計な事は言わない方がいい。

それにしても親父も親父だ。僕には絶対そんな事言わないくせに。相手が晶だと秘蔵の酒を飲ますのか・・・。

親父もお袋も、最近では僕よりも晶の方を信頼しているようなフシがあるんだよな・・・。

「ほんとに? ほんとにそう思ってる?」

「思ってる思ってる。思ってますってば・・・」

「ふ−ん・・・そう・・・」

晶は立ち上がるとスカートのホックを外し、ファスナーを下ろす。スカートがスルリと晶の両の足元に滑り落ちた。

当然の如く、晶の高級そうなベージュのインナーが視界に入る。

「ちょ、ちょっと晶・・・」

「何よ・・・暑いから脱いだのよ。悪い?」

目が座っている。晶はかなり酔っているようだ。(どういう根拠かは不明だが)彼女は自分が酒に強いと

思っているらしい。が、僕から言わせてもらえば晶のアルコールに対する耐性の無さといったらこの上ない。

「待って待って! 今エアコン入れるから・・・」

しかし晶はお構いなしに、ノースリーブ、ブラ、そしてスキャンティー・・・全て脱ぎ捨ててしまった。

「あ、晶! なんて格好に・・・」

もう晶の体についている布製品は、ヘアバンドとソックスくらいである。形の整った両胸、細くくびれた

ウエスト、フワリとした中心の飾毛、そしてスラリと伸びた両足。全てを躊躇うことなく、むしろ僕に

見せつけているようですらある。僕は慌ててベランダのカーテンを閉めた。

「今更何を恥ずかしがってるのよ・・・私の身体なんてもう何度も見てるでしょ?」

「恥ずかしいよ! 第一外には人だって・・・」

「へー・・・最近は見てないから忘れちゃったって事かしら?」

・・・なるほど。要はこれを言いたかった訳か。確かに先週末はバイトを入れちゃって、会えなかった。とはいえ

2週間会ってないだけである。第一先週末は会う約束はしてなかったし、携帯電話で何度も謝ったじゃないか。

そうは思ったがしかし、酔った晶に口答えなんて絶対にしてはいけない。とにかくここは、僕が下手に出ることが

大切なのである。

「先週はホントに悪かったと思ってる。謝るよ、ゴメ・・・」

もう十回以上言った謝罪のセリフをまた言おうとしたときだった。突然晶が抱きついてきた。同時に自分の唇を、

僕の唇に重ねてくる。

「う・・・んん・・・」

僕の体を抱きしめている両腕に力がこもり、今度は自分の舌を僕の舌に絡ませてきた。ほんの十数秒の出来事

だったかもしれない。しかし晶とはもう数え切れないくらいキスをしてきたが、ここまで時間を長く感じたのは

始めてだった。ゆっくりと唇を離す晶。お互いの唾液が糸状になって、そして僕と晶の胸元に落ちていく。ちょっと

ブランデーの味がするキス。

二人とも、ソファアに崩れるように座りこんだ。スローモーションのように、ゆっくりと。

「ねえ・・・あなたおじ様とおば様に私のことなんて言ってるの?」

「え・・・?」

「私、パパとママにはあなたの事・・・結婚を前提に付き合ってるって言ってるのよ・・・」

じいっとこちらを見つめる晶を見て、僕の心臓がバクバクいっているのが分かる。顔や指先もボウッと熱くなって

きている。どうしたんだろう。それこそ晶の裸はもう見馴れているハズなのに。僕は服を着てるのに晶は裸、

おまけに応接間でこんな事をしているという”背徳感”のせいだろうか。

晶の指が僕のシャツのボタンを外しにかかった。

「ちょ、ちょっと待って晶・・・」

「ヤなの・・・?」

「違うんだ、今日は外のバイトだったからその・・・体が汚れて・・・だからせめてシャワー浴びて・・・」

「かまわないわよ・・・どうせこれからいっぱい汗かいちゃうんだから・・・」

再び晶は、僕のシャツのボタンを外しにかかる。

「シャワーは後で二人で入ろう・・・ね?」

「あ・・・晶・・・!!」

僕は晶と重なり合った。さっきからの異様なムードに加え、モデル並のルックスとスタイルを兼ね備えた晶に

こんな事を言われたのだ。これでその気にならない男なんていないと思う。ましてや晶だけではない、僕だって

”ニ週間ぶり”な訳だし・・・。


形の整った晶の両胸の、先端の敏感な突起を指で摘み上げる。すぐにコリコリと固くなってきたのが分かる。

「ちょ・・・やだ・・・そんな触り方しないで・・・」

そうは言うものの、晶の顔を見るとまんざらでもないといった表情である。今度は舌で固くなった突起を転がしてみる。

「んん・・・」

晶が無理して声を押し殺しているのが分かる。

左手で胸を愛撫しながら、晶の太腿へ指を滑らした。

「あ・・・バカ・・・いきなりダメよ・・・」

構わず晶の秘裂に人差し指と中指を潜り込ませる。瞬間、指がネットリとした感触に包み込まれた。

晶の体内はもの凄く熱くなっている。内壁を指でニ、三回擦り上げてみた。

「あ、あ・・・そんな風に・・・しないで・・・」

「ウソ・・・こうされるのがいいくせに」

指を引き抜いた瞬間、ピチャ、という音が鳴った。

粘着性のある体液が堰を切ったように、晶の太腿を伝ってソファーにまで流れ出している。

「凄いよ晶のここ・・・こんなになっちゃってる・・・」

「バ、バカァ!! そんな事いちいち口にしなくていいわよ!!」

晶の表情は真っ赤に羞恥したものに変っていた。普段は強気な表情ばかりが印象にある晶だが(それはそれで

魅力的だけど)、こういう表情もとても可愛いと思う。

「もう・・・焦らさないで! 早くきてよ!!」

僕はワザと無視して、愛液が止めどなく溢れ出ている晶の秘裂を食い入るように見つめ続けた。女性ならば

もっとも秘密にしておきたい部分であろう晶のそこは、まるで別の生き物のように蠢いている。

「い、いつまでも見てないで・・・お願いだから早く・・・!」

これ以上焦らしちゃ可哀相だな。

「行くよ・・・晶・・・」

僕は晶の片足を抱きかかえ、一気に晶の体内に押し入った。同時に暖かい、ぬるりとした感触に包み込まれる。

「お願い・・・動いて・・・」

言われるまでも無く、僕は晶に激しく腰を打ちつけた。

ピシャ、ピシャという水音が、二人だけしかいない応接間に鳴り響いた。

晶の体中からは、玉のような汗が次々に浮かんでいる。それは僕も同じだった。動くたびに汗が吹き出て、

そして体を伝って流れていくのが分かった。

晶

「あ、ひい! ああ!!」

さっきから声を押し殺していた晶が、ついに堪え切れずに嬌声を上げる。

「お願いもっと! ・・・もっともっと突いて!!」

僕は晶の背中に腕を回して抱きかかえ、さらに結合を深くしようと試みる。奥に打ち込むたびに、晶も僕を

締めつけてくる。

「当たってる!! あなたのが・・・奥に・・・当たってるっ!!」

「晶・・・晶!!」

「ああっ・・・あ・・・私・・・私もう・・・!!」

一瞬晶の体がグッと反り返って・・・僕も・・・晶の中に欲望の全てを注ぎ込んで・・・。

「あ、晶・・・」

「バカ・・・思いっきり中で出して・・・」

「あ・・・ゴ、ゴメン・・・その・・・」

「コラッ、そんな顔しないの」

クスッと小悪魔的な微笑みを浮かべると、晶は僕の頭をコツンと叩いた。

「冗談よ。今日は大丈夫な日だから・・・」

「お、脅かさないでよ・・・」

「汗・・・いっぱいかいちゃったね?」

「う、うん・・・そうだね・・・」

晶はヘアバンドを外し、ソックスを脱ぎ始めた。

「ね・・・一緒にシャワー浴びよう?」

僕たちは二人で風呂場へと向った。


晶がメークをしている時だった。応接間にお袋が入ってきた。

「おや? 帰ってたのかい?」

「ああ、お袋。これから晶を駅まで送ってくるよ」

「あらそうなの。ゴメンね晶ちゃん、大した構いも出来ず・・・」

「いえ、そんな、気にしないでくださいおば様」

メークを終った晶が立ち上がり、二人して応接間を出ようとしたその時だった。

「じゃあ、ちょっと行ってくるから」

「どうもお邪魔しました、おば様」

「ねえ・・・わたしゃ、あんたたちの年代の男女交際にはウルサイ事言うつもりはないけどさ・・・」

「?」

「時と場所ぐらいは考えた方がいいと思うよ」

な、な、な、な、な・・・

「な、何言ってんだよお袋!!」

「部屋中に栗の花の臭いが充満してるよ」

・・・反論の余地無し。晶も真っ赤になって固まってしまっている。


駅までの道のり。僕たちは一言も言葉を発さなかったが、気まずい空気を払うように晶が口を開いた。

「・・・完全にバレてたわね、おば様には」

「ソファーに流れたのをちゃんと拭き取らなかったからかな?」

「ちょ、ちょっとぉ!! どういう意味よそれ!?」

真っ赤になって晶が食ってかかってきた。

「いや、だって・・・お袋には晶のヤツの臭いでバレちゃったんだし・・・」

「う、うるさい!! 何よ!? 大体あなたがちゃんとに私に会いに来てればあんな所でしなくたってよかった
んでしょう!!」

晶はボコボコと僕を殴る。もう顔から湯気が吹きそうなくらい、晶の顔は赤くなっている。

「ちょっと晶!! 痛いよ痛いってば・・・」

「うるさい!! このバカバカバカ!!」

晶の顔は相変わらず真っ赤だ。でも怒ったような表情をしてはいるけど、怒ってなんかいない。それは晶の

瞳を見ればスグ分かる。

可愛く、そしてセクシーなこの小悪魔のために、今週末は絶対に予定を空けておこうと思う。


fin


 晶LOVELOVE愛してるな札幌の破壊神、ちびくろ参謀さんの18禁SSです(彼女いるんだけどなー、
この人)。それにしても分かる人には分かるタイトルですね(笑)。ダーケシェン・マイヤー、参謀殿!!

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